ピエールドゥロッシュ 歴史
ピエールドゥロッシュの歴史を紹介するのにあたり、ピエールデュボワ社長の
4世代にわたる時計師一家のデュボワ家の歴史も合わせて紹介する必要があります。
1901年、マルセルデプラ氏が現在のデュボワデプラ社を設立しました。彼に続いて婿の
レイノルド、孫のジェラルドが経営を行い、曾孫であるパスカルとジャンフィリップに続いています。この2人の兄弟であるピエールが2004年にピエールドゥロッシュを
設立しました。3人で力を合わせ新しいメカニズムを開発し、1世紀にわたる50ほどの
特許申請を行った家族の財産を継承しています。
1925年にはクォーターリピータームーブメントを開発。マルセルデプラが得意として
おりました、リピーターメカニズムの打刻回数を決めるカタツムリカムは当時手作業で
切削されていました。その作り方に感銘を受けたピエール氏はソネリの機構の中心となります4本の腕を持つ星型カムをブランドロゴに使用しています。
1937年にはマルセルデプラ氏がクロノグラフの分野において従来のコラムホイールを簡単かつ廉価なカム機構に替えることで小さな革命をもたらしました。このメカニズムはレイノルド、ジェラルド・デュボワ氏が歳月をかけて改良し1970年までで350万個以上のムーブメントを製造しています。
1948年にはレイノルドが開発したコラムホイール搭載高級クロノグラフムーブメント、キャリバー74は戦後のスイス時計業界の躍動と創造を象徴しています。プッシャーとレバーという独自の操作性を持つこのキャリバーにはクイックチェンジカレンダーが搭載されました。日付の変更に結構時間がかかっていた当時としては実に稀でした。
1969年にはジェラルド・デュボワによって開発されたクロノマチックキャリバー11-12は自動巻きムーブメントに搭載された世界初のクロノグラフです。クロノグラフの調整・分解がやり易いようモジュール形式で新開発されていました。著名なブランドように35万個製造されました。
1983年にはクロノグラフ2000を発表。ジェラルド・デュボワ氏はこのキャリバーにおいて特殊なクラッチを使うことによってクォーツムーブメントにも自動巻きムーブメントにも搭載できるクロノグラフのメカニズムを考案しました。
2003年にはピエールデュボワ氏とその二人の兄弟、ジャンフィリップとパスカルによって開発されたクロノグラフの秒、分、時間をひとつの積算計で表示するユニークなコンセントリッククロノグラフが完成。ピエールドゥロッシュのスプリットロックシリーズにのみ搭載されたこのキャリバーでは計測時間を瞬時に読み取ることが出来ます。
2009年には世界初レトログレード秒針機構を6つ搭載したキャリバーを発表。この複雑機構は従来のカムの代わりに輪列によってレトログレード針を作動させるという今までとは異なったアプローチを成し遂げたことを証明するものです。デュボワ3兄弟が小さな革命を残したと言えるでしょう。